こんにちは。ケイゾクです。
資産運用と言えば株式投資や投資信託、ETFがメジャーな選択肢として思い浮かぶと思います。
一方、資産運用に興味を持って色々調べ始めると、『CFD取引』と言うワードに辿り着く方も多いのではないでしょうか。
今回はこの『CFD取引』の基本のキとも言える概要について、分かりやすく簡単に紹介したいと思います。
この記事を読んで欲しい方新しい資産運用にチャレンジしたい
CFD取引の基本的な概要について知りたい
CFD取引とは
『CFD』とは『Contract for Difference』の頭文字をとったもので、日本語にすると『差金決済取引』と訳されます。
『差金決済取引』とは、差金(差額)を決済(売買)することで利益・損失が発生する取引のことを意味します。
差金(差額)については、後ほど説明させていただきます。
一方、差金決済取引と対照的なのが『現物取引』ですね。
現物取引
ある金融商品そのものを購入するために対価を支払ったり、その商品を手放すために売却して対価を受け取る取引を行います。
例えば、ある企業の株式を購入すれば、その対価を支払うことで株式(株券)を所有することができます。
株券を購入して立派な株主となるので、議決権がありますし配当金を受け取ることもできます。
また、株主優待を受けることだってできますね。
※投資信託やETFは個別株式を購入するわけではないので、これらの恩恵を受けることはありませんが、対価を支払ってファンドを保有することになるので現物取引の一種となります。
差金決済取引
金融商品(例えば、株式)を実際に購入するわけではないので、株式(株券)そのものを所有することにはなりません。
例えば、ある金融商品の買い注文を出す場合、以下の流れで取引を行うことになります。
①『証拠金』を証券会社に入金
②金融商品の買注文を出す
③金融商品の売注文を出して損益を確定させる
上記のように、証拠金を入金しますが、例えば、3万円の商品を購入する際に証拠金から3万円が減少することはありません。
決済して損益が確定した時に初めて、その損失・利益に該当する金額が増減することなります。
このように、新規注文した時の金額と決済注文する時の差額を決済するのが『差金決済取引』と言うものです。
また、現物取引と異なり実際に株式を受け渡ししないので、議決権もなければ株主優待もありません。
なお、『配当金』というお金を受けとることはできませんが、『価格調整額』などの金銭の受払が発生します。
価格調整額の詳細については「CFD取引とは?GMOクリック証券の価格調整額を分かりやすく解説!」をご覧ください。
CFDで取引できる商品
先ほどは株式CFDを例に説明しましたが、株式CFD以外にも多くの種類の金融商品がCFDで取り扱われています。
CFD取り扱い商品の例①株式CFD
②株価指数CFD
③商品CFD
④通貨CFD
②株価指数CFD
『株価指数』とは、例えば、日経平均株価などのように市場を代表する企業の株価の動きを示すものです。
この株価指数の動きを対象としたものが『株価指数CFD』で、日経平均以外の代表的な株価指数では『NYダウ(米国)』や『FTSE100(英国)』がありますね。
③商品CFD
『商品CFD』とは、貴金属や鉱物資源、穀物と言ったコモディティ市場で取引される商品を対象として、CFD取引を行うものです。
代表的な例では、金や銀、石油・天然ガス、大豆やコーンがあります
④通貨CFD
『通貨CFD』はいわゆる『FX』のことです。
FXも実際に外国通貨現物の受け渡しが発生するものではないですね。
CFD取引のメリット・デメリット
様々な金融商品が対象となっていることから、投資の幅を広げることができるCFD取引ですが、メリット・デメリットがあります。
メリット①少ない資金でスタートできる
②幅広い時間帯で取引ができる
③売り注文からも取引ができる
デメリット①レバレッジによってリスクが高くなる
②ロスカットされる可能性がある
メリット①少ない資金でスタートできる
先ほど紹介したように『CFD取引』は差金決済取引であり、入金した証拠金を通じて取引を行うことができます。
FXの例で言えば、1ドル=100円の時に1万ドル分の買い注文を出す時、100万円の資金を用意する必要はありません。
少し例を簡略化して、1ドル=100円の時に1ドルの買い注文を出す時を考えてみます。
下の図のように、実際に証拠金として100円を入金する必要はなく、10円の入金でも可能です。
後日、1ドル=101円になった時に売り注文を出すと、100円との差額1円が利益となりますね。
なお、入金する証拠金はいくらでもよいわけではなく、証券会社やCFDの商品毎で定められています(取引額の10%など)。
これを『必要証拠金』と呼びます。
為替レートが動いて決済した場合、上記の買い注文を出した時の『1ドル=100円』とのレートの差額分だけ証拠金が変動します。
このように、少ない資金で取引を開始できるのは大きなメリットとなりますね。
メリット②幅広い時間帯で取引ができる
日本の株式市場の取引時間は午前9時~午後3時までとなっていて、サラリーマンにとってはリアルタイムでの取引が難しいですね。
一方、CFD取引ではほぼ24時間取引が可能となっているので、仕事が終わってからでも取引を行うことができます。
取引時間については商品によってバラつきがありますが、多くの商品が幅広い時間帯で取引可能であり、概ねどんな生活パターンでも市場に参加することが可能と言えます。
メリット③売り注文からも取引できる
現物取引の場合は、原則、買い注文を出すことになりますが、CFD取引では売り注文から参加することも可能です。
FXを使ったことがある方は分かると思いますが、対象商品(通貨)のレートが上がるか下がるかを予想して取引するものですね。
したがって、現時点のレートが下がると思えば、売り注文を出すことになります。
こうしたことから、上昇相場でも下落相場でも利益を狙えるチャンスがあることになりますね。
デメリット①レバレッジによってリスクが高くなる
メリット①で『少ない資金でスタートできる』と説明しましたが、これは『レバレッジ』をかけることができるからです。
『レバレッジ』とは『梃子(てこ)』のことで、梃子の原理で『小さな力で大きなモノを動かすことができる』というものです。
CFD取引では実際の取引額より少ない資金で取引が可能となるので、『小さな力(資金)で大きなモノ(金額)を動かすことができる』と言えます。
これは少ない資金で多くの利益を得ることができるので、メリットと捉えられるかもしれませんが、デメリットとは表裏一体の関係です。
つまり、多くの損失を被る可能性があると言うことです。
例えば、FXの取引で考えてみましょう。

デメリット②ロスカットされる可能性がある
上記のとおり、CFD取引では少額の資金で取引を行うことが可能ですが、相場の変動によって強制的に決済されてしまうことがあります。
これを『ロスカット』と言います。
FXで取引をしたことがあれば、馴染み深いワードだと思いますが、株式投資などの現物取引では接することがないワードですね。
ロスカットとは、損失拡大を防ぐために一定の水準まで含み損が膨らんだら、強制的に反対注文が発動されるシステムです。
一定の水準は証券会社によって異なりますが、FXでは『証拠金維持率100%』が一般的かと思います。
証拠金維持率は『有効証拠金(※)÷必要証拠金』の計算で求めることができます。
※有効証拠金ではなく、『時価総額』など別の表記がされていることもありますが、意味合いは同じです。
CFD取引のカギは資金管理
CFD取引では様々な金融商品を対象としているので、投資の幅を広げることができます。
しかし、先ほど説明したデメリットを上手く回避しながら取引をする必要があります。
そのカギとなるのは『資金管理』です。
CFD取引で発生するデメリットは、レバレッジをかけることが要因となっています。
つまり、レバレッジを高くすればするほど、ロスカットされる危険性は高くなり損失が膨らむスピードも速くなります。
裏を返せばレバレッジを低くすれば、ロスカットされる危険性は低くなり、損失が膨らむスピードも緩やかになります。
レバレッジ1倍だと現物取引と同じなので、個人的にはレバレッジ2倍で取引することを推奨したいと思います(2倍が必ず安全と言うわけではありません)。
例えば、100万円分の取引がしたければ50万円の資金を証拠金として準備することになります。
ここまでは理解していただけるかと思いますが、問題となるのはこの後です。
取引を始めて上手く利益が出てくるとどうしても欲が出てしまい、資金を増やさずに取引量を増やしてレバレッジを上げることをやってしまいがちです。
取引量を増やすなら資金を増やしてレバレッジを同レベルに保たなければ、相場が急変した時などに損失がどんどん膨らんでいきます。
急変した時点で入金しようと思っても、どこまで下がるか分からない中では怖くて入金を躊躇してしまいます。
そうなると、残る手段は損切りするかロスカットを待つしかないのです。
これは私がCFD取引で失敗した典型的なパターンです(私の失敗に関する詳細は『【CFD取引】コロナショックでの失敗~資金管理は適切に~』をご覧ください)。
この記事をご覧になった方には同じ失敗を犯してほしくないので、資金管理・レバレッジ管理には十分すぎるほど気を付けてほしいと思います。
適切な資金管理を心掛ければ、CFD取引は資産運用の強い味方になると個人的には思っています。
なお、私は今でもCFD取引は継続していますが、今度は同じ過ちを繰り返さないように細心の注意を払っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はCFD取引の概要を簡単に紹介させていただきました。
株式投資や投資信託などの現物取引とは異なる面が多いですが、適切な資金管理の下で取引すれば、効率よく資産運用ができると思います。
投資先の選択肢の1つとして『CFD取引』を検討してみてはどうでしょうか。
※なお、投資は自己責任ですので、リスクを十分にご理解したうえでご判断ください。
以上、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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