こんにちは。ケイゾクです。
今日は我が家が加入している貯蓄型保険について紹介したいと思います。
突然ですが、貯蓄型保険に加入し16年間保険料を払った結果、以下の状況となった場合、どう感じますか。
支払った保険料総額:約277万円
受け取れる解約返戻金:約288万円
詳細は後ほど説明しますが、この数字は契約時点で確定しているので、契約した瞬間、16年後に約11万円多く返戻金を受け取ることが決まっています。
これを見て
『利回り低っ!!』
と思われた人はマネーリテラシーが高いと思います。
私は契約当時、この感覚がなかったため『11万円も増えるなんてラッキー!』と思って加入しました。
しかし、今では『貯蓄型保険の加入によって数十万円は損するのではないか』と強く後悔しています。
本日はその後悔の理由も含めて紹介していきたいと思います。
なお、私が加入しているのは円建てですが、外貨建ての貯蓄保険でも基本的に同じと考えていただいて良いと思います。
この記事を読んで欲しい人円建てor外貨建て貯蓄型保険の加入を検討している
円建てor外貨建て貯蓄型保険の解約を検討している
我が家の貯蓄型保険について
以前の記事『不要な保険を見直して資産を作ろう!』で、我が家では医療保険には加入していないが、生命保険には加入していることについて紹介させていただきました。
この中で『低解約返戻金型終身保険』に加入していることを紹介していますが、これがいわゆる『貯蓄型保険』のことです。
つまり、支払う保険料は掛け捨てではなく、満期を迎えれば一定の金額を受け取ることができると言うものですね。
契約内容
我が家が加入している貯蓄型保険は、メットライフ生命の『つづけトク終身』と言う商品で、主な契約内容は以下のとおりです。
保険料:167,305円/年払い
死亡保険金:500万円
保険料払込期間:16年
保険期間:終身
積立利率:1.85%(最低保証)
要するに、毎年約16万円の保険料を16年間にわたって支払い、その間に死亡したら遺族に500万円給付されると言うことです。
さらに、解約返戻金を受け取らない限り、16年経過した後も死亡保険金500万円を受け取る権利は継続されます。
また、積立利率と言うのは、保険会社が保険金を支払うために保険料の一部を積み立てているお金に対して適用される利率です。
我が家の場合は1.85%で設定されていて、この利率は将来どれだけ市中金利などが下がっても保証されています。
あまり期待はできませんが、逆に金利などが上がった場合はこの利率も上がる可能性はあります。
ちなみに、現在この商品に加入した場合、積立利率は0.6%が適用されているようです(2020年7月時点)。
解約時の返戻金
貯蓄型保険のデメリットの1つとして、満期までに解約すると『返戻金は元本割れする』と言う点があります。
冒頭に16年後に受け取れる解約返戻金は約288万円と記載しましたが、15年以内に解約すると、受け取る返戻金は支払った保険料総額よりも必ず少なくなるように設計されています。
我が家の契約では以下のとおり、各年の解約返戻金が定められています。
我が家では既に丸7年以上経過しているので、現時点で解約すると約80万円前後の返戻金を受け取ることになります。
経過年数 | 支払保険料累計 | 解約返戻金 | 経過年数 | 支払保険料累計 | 解約返戻金 |
1年目 | 17.3万円 | 4.2万円 | 16年目 | 277万円 | 287.7万円 |
2年目 | 34.6万円 | 15.3万円 | 17年目 | 277万円 | 291.7万円 |
3年目 | 51.9万円 | 26.9万円 | 18年目 | 277万円 | 295.7万円 |
4年目 | 69.2万円 | 38.7万円 | 19年目 | 277万円 | 299.8万円 |
5年目 | 86.5万円 | 51万円 | 20年目 | 277万円 | 303.9万円 |
6年目 | 103.8万円 | 63.6万円 | 21年目 | 277万円 | 308.1万円 |
7年目 | 121.2万円 | 76.6万円 | 22年目 | 277万円 | 312.3万円 |
8年目 | 138.5万円 | 90万円 | 23年目 | 277万円 | 316.5万円 |
9年目 | 155.8万円 | 103.8万円 | 24年目 | 277万円 | 320.7万円 |
10年目 | 173.1万円 | 118万円 | 25年目 | 277万円 | 325万円 |
11年目 | 190.4万円 | 131.4万円 | 26年目 | 277万円 | 329.3万円 |
12年目 | 207.7万円 | 145.2万円 | 27年目 | 277万円 | 333.6万円 |
13年目 | 225.1万円 | 175.6万円 | 28年目 | 277万円 | 338万円 |
14年目 | 242.4万円 | 210.6万円 | 29年目 | 277万円 | 342.4万円 |
15年目 | 259.7万円 | 247.7万円 | 30年目 | 277万円 | 346.8万円 |
この保険は長女が16歳になる時に満期を迎えるように設定し、進学費用などに使うことを目的としていました。
したがって、途中解約することは想定しておらず、途中解約による元本割れはデメリットと感じていませんでした。
年間利回りは約0.24%
冒頭、16年後に受け取れる解約返戻金について、『利回りが低い』と言う表現をしました。
これはどういうことかと言うと、16年後に受け取る約11万円は年間の利率で換算すると『0.24%』しかないと言うことです。
その算定式は以下のとおりです。
11万円÷277万円÷16年×100=0.24%
現在、楽天銀行と楽天証券でそれぞれ口座を連携させる『マネーブリッジ』を適用すると、普通預金の利率は『0.1%(税引前)』となります。
これよりは高い利率で、かつ、死亡保障もつくので充実していると感じるかもしれません。
しかし、後ほど説明するように、例えば、投資信託で運用すると約3%の年間利回りを得ることも可能と言えます。
そうなると、この0.24%の利回りはとても低く感じるようになります。
返戻率に騙されるな
円建て・外貨建ての貯蓄型保険や学資保険でも見られますが、『返戻率』と言うワードがあります。
返戻率とは『返戻金÷支払保険料総額×100』で算定されるので、我が家の貯蓄型保険で言えば、16年後の返戻率は103.9%となります。
一方で、『返戻率110%』などを売りにしている保険があるかもしれませんが、その返戻率になるまでに何年かかるかも確認しましょう。
もしかしたら、30年後にようやく110%に到達するように設計されているかもしれません。
我が家の保険でも30年後であれば返戻率は125%に到達していることになりますので、一概に返戻率の数字だけで判断すると、想定と違う結果になることもありますのでご注意ください。
投資信託で資産運用
投資信託で16年間運用した場合
投資信託とは、『個別企業の株式を袋詰めしたもの』と例えられることがあります。
個別企業の株式を購入するのではなく、たくさんの企業の株式を少しずつ購入することができ、分散効果が高いと言われています。
投資信託の詳細については以下の記事をご覧ください。
こんにちは。ケイゾクです。私は主に投資信託、つみたてNISA、FXで資産運用をしています。今回はその中でも、もっとも安定していて手間をかけずに取り組めている『投資信託』について書きたいと思います。『将来必要なお金をどうや[…]
この投資信託の中でも、株価指数などに連動することを目指して運用されるインデックスファンドと呼ばれる商品があります。
こうしたインデックスファンドは長期の資産運用に向いていると言われていますが、過去約20年間の平均利回りは1.43%~3.84%と言う試算も出ています(参考:ちばぎんブログ)。
もちろん、この利回りより低いものも高いものもありますので、一般的な例としてお考えください。
仮に、上記の利回りで今回の我が家の保険料を毎月投資信託で運用した場合、16年後は以下の結果になります。
貯蓄型保険と比べると、約13万円~81万円も多い金額となる可能性があることが分かりました。
ちなみに、先ほどの返戻率と言う観点で言えば、同じ16年間でも108%~133%となります。
このことから、貯蓄型保険より投資信託で運用する方が優位性が高いのではないかと考えるようになりました。
さらに、貯蓄型保険では途中解約だと必ず元本割れしますが、投資信託であれば、目標としている16年後を待たずに利益が出ている必要なタイミングで売却することも可能です。
もちろん、投資信託は運用した結果、元本割れする可能性はあるので、そのリスクは十分に理解しておく必要があります。
投資信託には死亡保障がない?!
上記で見たように貯蓄型保険では、我が家の場合では500万円の死亡保障がついています。
一方、投資信託は死亡保障がないので、運用開始してすぐに死亡するようなことがあると…
と言うことを心配されるかもしれません。
当然ながら、遺族のことを考えれば一定の死亡保障は必要となるケースもあると思います。
そうした場合は、掛け捨ての定期保険に入ることでカバーできるのではないかと考えます。
例えば、保険期間20年、保険金500万円であれば月々約1,200円ぐらいが目安となります。
20年間掛け捨てたとしても、約28万円です。
先ほどの試算で見たように利回りが2%以上が期待できるインデックスファンドであれば、保険料を考慮しても十分な金額だと思います。
なぜなら、上記の例で最も高い利回りを示しているインデックスファンドは、私が運用している楽天証券でも『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』と言う銘柄を購入するだけで、3.84%の利回りを享受できる可能性があるからです。
貯蓄型保険を解約すべきか
これまで見てきたように、将来のためと思って貯蓄していたつもりが、実は効率の悪い運用をしていたのではないかと、ここ最近疑問を感じるようになりました。
そうすると、当然ながら『貯蓄型保険を解約する』と言う選択肢が出てきますが、上記で見たように、途中解約すると大きく元本割れすることとなるので、どうしても躊躇してしまいます。
また、解約した際のリスクヘッジとして、同額の死亡保障を継続するために例えば10年間の定期保険に加入することも考えたいところです。
しかし、これは個人的な事情ですが、私は既往症があるので今から新たに生命保険に加入するのは少しハードルが高いと言う問題があります。
もし、この記事をご覧いただいている方で、既往症もなく貯蓄型保険に加入して間もない方であれば、解約して運用に切り替えることも一案だと思います。
早い時期に解約すれば、その分長い期間運用できることになりますので、解約返戻金よりも多い金額を手にすることも可能となります。
解約するかどうかの判断については、以下の記事で検証していますのでご覧ください。
こんにちは。ケイゾクです。前回の記事で『貯蓄型保険に入って数十万円損したかもしれない話』を紹介しました。今日は、『生命保険の解約は得なのか損なのか』と言う観点で、実際に我が家の貯蓄型生命保険を解約する想定でシミュレーションし[…]
貯蓄型保険解約の判断ポイント解約後の期間で返戻金と同等以上の運用成果が見込めるか
既往症など保険に再加入できる条件は整っているか
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今思えば、最初から貯蓄型保険に入らずに投資信託で資産運用していればと考えると、もったいないことをしたなと感じています。
途中書きましたが、これは外貨建ての貯蓄型保険でも同様です。
外貨建ての場合は、上記の利回りに加え為替リスクもあるので、十分に内容を理解した上で加入する必要があります。
もしかしたら、貯蓄型保険に加入したことで数十万円損することになるかもしれません。
もちろん、保険だからカバーできる補償もあるので、必ずしも保険に加入することが間違いではないですが、後悔はしたくないですよね。
この記事をご覧になった方が、私のケースを参考にしていただき、後悔のない選択をしてもらえれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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